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Oct 1, 2009

2009年度 第1回ワークショップ「 IDEO流イノベーションの真髄を体験!」終了しました。

2009年9月14日から18日までの5日間、i.schoolの第1回人間中心イノベーション・ワークショップが行われました。i.schoolのオープンを記念したこのワークショップは、米国のデザインイノベーションファーム・IDEO社の全面的な協力により企画運営されました。

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選ばれたテーマは”Toward better Communication between Working Mothers and Their Children at Home(家庭における働く母親と子どものより良いコミュニケーションに向けて)”。5日間のプログラムではこのテーマに沿って、フィールドワーク、インサイト開発、シンセシス、アイディア開発、プロトタイピングなど一連のIDEOメソッドを体験的に学ぶよう構成されており、IDEO、博報堂イノベーション・ラボから派遣されたファシリテーターのガイダンスを受けながらプロセスが進行しました。

参加した学生は、東京大学大学院または学部に在籍中の22人。これに、協力企業の大阪ガス、味の素から派遣された若手の社員が加わり、4つのチームが編成されました。

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1日目>
ファシリテーターを務めるIDEO、博報堂イノベーション・ラボ、協力企業の大阪ガス(行動観察研究所)各メンバー紹介の後、IDEOのKris Woyzbunによるオープニングレクチャーより5日間のワークショップはスタート。22人の多様なバックグラウンドが考慮されたチーム分けが発表され、まずは各チームでチーム名を考案。その後、早速のチーム作業としてモックアップの制作!スチレンボードや段ボールを使って”ニッポンのキッチン”を再現するというものです。共同作業を通して、メンバーが打ち解けるきっかけになりました。

2日目>
この日は終日フィールドワーク。午前中はチームごとに近隣の保育園を訪問して子どもたちのお散歩に同行・観察。その後、園長先生へのインタビュー。午後は4つのチームをさらに2分割し、8人の働く母親を仕事の現場に訪ねてインタビューを敢行しました。インタビュー対象者(母親たち)の仕事内容や家庭環境は様々。働く母親の厳しい時間的制約や、それに伴う仕事・家事・育児の創意工夫をまざまざと知ることとなり、新鮮な感動と驚きでメンバーの気持ちは早くも最高潮に!

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3日目>
3、4日目は再び演習室にて頭と手をフル稼働し、大量のポストイットを使った試行錯誤が続きます。3日目はシンセシス(統合)。まずは「ダウンロード」と呼ばれる方法により、2日目のフィールドワークを通じて発見してきたことをどんどんリストアップして、チームごとに確認していきます。膨大な量の「事実」から、次にいわば「深い洞察」とも呼べる「インサイト」を発見し、さらにインサイトを「テーマ」に絞り上げて行きます。ここまで作業を進めたら、次に得られたテーマから新しいデザインチャンスの在り処・「機会領域」を発見していきます。さらに”How Might We(どうやったら○○出来るか)”でアイディア着想の土台作り。これら全てのプロセスをチームで進めるため、メンバーの理解の違いによる困難もあり、チームワークの醍醐味を体験する段階でもありました。

4日目>
チームワークの醍醐味は、アイディア開発(ブレインストーミング)、プロトタイピングの段階を迎えてさらに過熱。いよいよ4日目は製品またはサービスを考案するためのプロセスに入ります。3日目のHow Might Weで見出したアイディア着想の土台をベースに、ブレーンストーミングによって製品またはサービスのアイデアを量産します。実際に取り組むアイディアは、チーム内の投票によって選出。アイディアを決定したら、いよいよプロトタイピング。工作によって、アイデアを視覚化、検証し、確実なものにしていく作業です。ワークショップはこの段階でクライマックスに!演習室を追い出されても帰らずに議論を続けるチームもありました。明日はいよいよ成果の発表です。

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5日目>
午前中はプレゼンテーションの準備。プレゼンのガイダンスを受けた後は時間のプレッシャーに追われながらひたすら作業を進めます。チームごとのプレゼン時間は10分。No PowerPointが合言葉です。
午後の公開プレゼンテーションには協力企業のエグゼクティブも迎えて行われました。各チームのプレゼンは寸劇スタイル。5日間の成果を活かした演出やシナリオの工夫が光りました。オーディエンスからのプレゼンの評価は大変高く、今後のさらなる展開の可能性も秘めています。さあ、いよいよ密度の濃い5日間もおしまい。仕上げはパーティでカンパイです。

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<以下はワークショップに参加した学生のコメントの一部です。>

まず、仮説ありきで物事を見るだけでなく、物事から連想し、拡大する思考というものに意識を向けるようになりました。(工学系研究科技術経営戦略学専攻)

仮説でモノを考えるトレーニングばかりをつんできた私たちにとって、エスノグラフィー的手法でデザインを開発することは、目から鱗でした。インタビューから得られたインサイトを重視するIDEOの哲学を感じられました。(工学系研究科都市工学専攻)

もともとディスカッションの中で発言するのは苦手だったのですが今回は自分の意見をスムーズに伝えることができ、また、皆さんの意見との足し合わせでアイディアを膨らませることができ自信がつきました。(工学部社会基盤学科)

現状の課題の抽出から、ソリューションに落とし込む手法について、体系的に学ぶことが出来た。枠にとらわれない思考法が身についたと思う。(情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻)

ロジカルに考えるだけでなく、今回のワークショップで用いた手法のように、クリエイティブに考えてみる、手を動かしてみる、ロールプレイをしてみる、といった仕事の仕方に興味を持つようになった。今回のワークショップで最終的にアウトプットした企画の可能性をもっと追求してみるつもりになった。(工学部社会基盤学科)

同じグループに2人の社会人がいたので、彼らと話す中で社会人の抱える問題とともに、彼らがもつスキルも体感することができました。(工学部システム創成学科)

初日と最終日のパーティはとても良かったです。親睦が深まりました。Tシャツのプレゼントもいい思い出になります。(工学系研究科航空宇宙工学専攻)

英語はしゃべれたほうがよいと再認識しました。がんばります…(学際情報学府学際情報学専攻)

ポストイットを惜しげも無く使いまくること、ブレストで守るべきルールを壁に提示すること、共有するために太いペンを使うこと等々、細いようで非常に重要なスキルを学べたと感じています。(法学部)

こういう作業には頭脳労働だけでなく体力も必要なことが分かった。(学際情報学府文化人間情報学コース)

普段の生活とは全く異なる人々と空間に5日間どっぷりつかったことで、結果的に広い意味で今後の自分の人生を考えるヒントをたくさん得たように思います。(教育学部総合教育科学科)

デザインやイノベーションといった言葉は非常にあいまいで、殊に芸術的なセンスや才能によるものと捉えがちですが、今回のワークショップを通じて、現場のdesign thinkingが非常に論理的なフレームワークに沿ったものであり、かつ地道な作業を通して進んでいくものであることを実感しました。(工学系研究科航空宇宙工学専攻)

(ご参照)告知ページはこちらから。
http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/programs/workshop/workshop_sep09

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