Workshop Reports

Apr 10, 2021

参加者レポート
2020年度第8回レギュラー・ワークショップ
「超高齢社会のイノベーション」

第8回レギュラー・ワークショップは、i.schoolエクゼクティブ・ディレクター堀井秀之が1年の学びの総括として実施しました。

テーマ:「超高齢社会のイノベーション」

ファシリテーター:堀井秀之(i.schoolエグゼクティブ・ディレクター)

日程:9/30(水),10/7(水),10/14(水),10/21(水),10/28(水),11/4(水),
11/14(土),11/18(水),11/25(水),12/2(水),12/9(水)

時間:19:00-22:00

【2020年度 WS8 準備会(9/30)】

WS8準備会ではアイスブレイクを中心に「スーパーアクティブシニアとは何か」について率直な意見交換をしました。

①アイスブレイク
最初はグループごとに、Apisnoteの使い方を確認しながらアイスブレイクを行いました。
アイスブレイクでは自己紹介に続き、課題図書には載っていない「スーパーアクティブシニア」について共有しました。議論の中で話された事例としては「通っていた道場の先生」「メンバー自身の祖父」などがあり、身近なところにもアクティブシニアが存在することが確認できました。
次にグループごとに共有された事例について発表しました。
自分の身の周りにいるシニアについて紹介するグループもあれば、事例の分類を通して「スーパーアクティブシニア」の定義を目指すグループなどもあり、次週以降の活動に向けての刺激となりました。

②グループ・フローについて
堀井先生から、チクセントミハイの理論を基盤にしたソーヤーの「グループ・フロー」に関するの研究の説明を伺いました。
発話の頻度に加えて、メンバーの笑顔とフローが関わっているということ。付箋の配置などからもチームの状態が説明されるというお話を聴き非常に興味深く感じました。
グループの進行について先行理論を把握しておくこと自体が、ワークを進める上でのメタ認知に貢献するのかもしれません。
漫然と参加するのではなく、チームの方向性について把握しながら参加することが強く求められていると思いました。

③活動の方針
最後に、次週から本格的に始まるWS8に向けて活動の方向性について話し合いました。
「スーパーアクティブシニア」とは何なのか、「アクティブシニア」とはどう異なるのか。私のグループでは事例の収集を通じてそれぞれの「スーパーアクティブシニア」像を明確にすることを確認しました。
またWS終了後は他のチームのブレイクアウトルームに参加する懇談会が催されました。過去のWSで同じチームだったメンバーと久しぶりに会話することができ、どのグループも盛り上がっていたと思います。
以上が WS8準備会の活動内容です。
WS8は今までのWSと比べても長期戦であり、メンバー同士のコミュニケーションが一層重要になると感じます。
集団としての創造性をいかに発揮することができるか、を意識しながらWSを楽しみたいと思います。

早川裕貴
2020年度i.school通年生
東京大学 教育学部 4年

【2020年度 WS8 DAY1 10/7】

まず初めに今回のWS8の目的がPDCAサイクルを何度も回すことであること、そしてその第一歩として、一度サイクルを一通り回してみることがこの日の目的であるという説明をお聞きし、サイクルの回し方の大まかな流れを全員で把握しました。

「スーパーアクティブシニアと呼ぶべき若い人から尊敬されるような自己実現を追求する高齢者を増やすためのイノベーション」をテーマとし、まずは現在存在するエクストリームケース(以後EC)の分析、続いて社会システム事例の分析、最後にそれらを掛け合わせることでアイディア発想を行いました。

①ECの分析
ECの人になろうとする人はどういう状況にあるのか、推測を含みつつ、何がECになるために必要なのかを分析していきました。まず、ECのようになろうとする人に関する事実情報を、事前課題で読んだスーパーアクティブシニア事例集からアウトプットし、解釈を行いました。それらの情報から、ECのようになるためのニーズを抽出しました。私たちの班は、平均年齢67歳のe-sports チームに焦点を当て、分析を行いました。その結果、求められるニーズとして、「ある程度意識的に、高齢者が活躍して注目される場や企画、施設などを周囲が用意する」「若者と同じ土俵で戦える場所だとモチベーションにつながる」「物事を共有して体験できるコミュニティが欲しい」などの示唆が出ました。

②社会システム事例分析
次に、①で挙げたECのようになるためのニーズに応えるため、組み合わせるべき社会システムについて議論しました。まず①のワークで出たアイディアと相性が良さそうな、既存の社会システムの事例のアウトプットを行いました。
私たちの班では、クラウドファンディングや部活、ライブ配信サービスやマッチングアプリなど、昔からあるシステムから新しいシステムまで、多岐にわたる種類の社会システムがアウトプットされました。「社会システム」と取り立てて普段意識はしていないけれども有用・効果的な社会システムが身の回りには溢れていると感じました。

③アイディア発想
最後に、①と②を掛け合わせることにより、アイディア発想を行いました。
その結果、「自分の生きてきた人生をベースとした人生ゲームをリリースする」「リアル版『最高の人生の見つけ方』」「若者が相談事を書いて高齢者が相談に乗る『投げ知恵』」など、最初の事例分析を発端に創出されたとは思えないようなユニークなアイディアが発想され、面白いと感じました。
以上①~③のサイクルを回すにあたり、今回のワークでは、数多くのアイディアをやみくもに出すのではなく、数を限って、質の良いアイディアを出すことに注力しました。
しかしながら、最終アイディアの質をさらに高めることができたのではないかということで最後に反省を行ったところ、「選んだ事例は本当に良かったのか」「EC分析から尖ったニーズを出せていなかったのではないか」「(示唆を出す時点で、)予想されるようなアイディアをなんとなく想定してしまっていた」「示唆抽出の時間を十分に取るべきだった」等の気づきがありました。

反省点をふまえて、いくつかタスクを班で決めたので、来週以降の活動に向けて取り組んでいきたいと思います。

吉井小絢
2020年度i.school通年生
慶応義塾大学経済学部4年

【2020年度 WS8 WS8 DAY2 (10/14)】

DAY2では、DAY1の試行結果を踏まえて、
各チームでアイデア発想プロセスを再設計、その前半を実行しました。

①シニアへの洞察を深めるインタビュー
DAY1の試行を経て、私たちは「スーパーアクティブシニアと、それを目指しているシニアとのギャップはどこにあるのか」を明らかにする必要があると考えました。
そこで、DAY1の数日後に、シニアの方1名(Iさん)にインタビューさせていただきました。
Iさんは様々なお仕事やボランティアに取り組まれています。
「お願いされたことは何でも引き受ける」「大人だからこそセカンドライフで自分の進む道を自分で決められる」「困りごとを障壁だとは思わない。あってよかったと思うことのほうが多い」といった前向きな人生観をお伺いすることができました。

②DAY2で取り組んだこと
Iさんへのインタビューのなかで、メンバーの印象に残った事実情報とその解釈を挙げ、チーム内で共有しました。
挙げられた解釈のなかには、上述の前向きな人生観に関するものに加えて、
「コロナ感染への恐怖から外出が制限され活動意欲が削がれている」
「ボランティアや介護を通じた他者への貢献感が活動の原動力になる」
など、当たり前なようで気づいていなかった、シニアの方々の現状が含まれていました。
これらの解釈から、スーパーアクティブシニアになるためのニーズを発想しました。
ニーズは、「自分にあったコミュニティの探索」「セカンドライフの過ごし方について改めて考える機会」「複数のコミュニティへの所属」「他者との関わり」「健康不安」の5つに大別されました。

③DAY2の活動から得た学びと気づき

1.アクティブシニアの共通点
複数のインタビューを通して、スーパーアクティブシニアの方々は、

・過去のご自分の役職やスキルに縛られず、新たなことに挑戦し続けている
・周囲や社会への貢献意識が高く、貢献への見返りとして新たな機会を得続けている

という共通点をお持ちなのではないか、との気づきを得ました。
特に前者について、なぜそこまで自由に挑戦を続けられるのか、は興味深いところで、先天的な性格や過去の経験の影響なのか、それとも何かを意識されているのか、さらに分析を進める必要性が感じられました。

2.より効果的なニーズを上げる方策
DAY1から、スーパーアクティブシニアになるためのニーズに課題感を持って議論を進めました。私たちが挙げたニーズはどこかで既に満たされていそうなのですが、今現在、社会でスーパーアクティブなシニアが増えているようには見えません。

DAY1終了時点では、インタビュー不足でニーズの具体度が足りていないからなのだろう、と考えていましたがDAY2を経て、インタビューの話し手(スーパーアクティブシニア)とニーズを持つ主体(アイデアのターゲット)の違いに注意すべきだと考えました。

本ワークショップでは、インタビューで得た事実情報の解釈から、スーパーアクティブシニアになるためのニーズを抽出しました。
抽出の際、インタビュー対象者の多くがすでにスーパーアクティブであることに注意しなければなりません。私達のアイデアのターゲットは、あくまで、まだスーパーアクティブでないシニアの方々です。

ダイエット本の体験談を実践してもダイエットで十分な効果を得られない人がいるように、スーパーアクティブシニアの方々の体験を、ターゲットにそのまま提供しても、多くのシニアの方々をスーパーアクティブにすることは難しいかもしれません。
インタビューを通してスーパーアクティブシニアの現状が見えてきた今だからこそ、ターゲットの現状もインタビューなどによって分析した上で、多様なシニアの方々の価値観変容を起こすアイデアを発想したいと考えました。

④今後の動き
私たちのチームは、次回までに各個人でニーズを選定し、そのニーズを実現する社会システム事例を持ち寄る予定です。
次回は、ターゲットを決め、スーパーアクティブシニアを定義した上で、アイデアを発想します。

豊島拓
2020年度i.school通年生
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修士1年

【2020年度 WS8 DAY3 (10/21)】

DAY3では、各チームでDAY2に続くプロセスを行い、総括的分析まで行いました。
私たちのチームFでは、前回までにアイデア発想まで完了していたため、今回はアイデア共有からとなりました。

①アイデア共有
前回のアイデア発想で出てきたアイデアには、
「若者とシニアが協働で働くベンチャー」「シニアとして若者に勝てる分野を割り出すトレーニングプログラム」「第二の人生のための資格の学校」「各分野でトップを目指すシニアのオンラインサロン」
などがありました。
これらに対して、「スーパーアクティブシニアになるためのニーズをとらえているか」「このアイデアがスーパーアクティブを増やすか」といった観点で、良い点と悪い点を挙げ、評価を行いました。
第一回目の発想のときよりは良いものが出たのですが、まだ詳細が詰め切れなかったり、本当に役に立つサービスなのか、メンバーの間でも腑に落ちないものがあったりしました。

②総括的評価
そののち、次回のアイデア発想プロセスに向けた改善事項について、「ニーズ分析」「社会システム分析」「アイデア評価」に分けて検討しました。
「ニーズ分析」では、やはり自分たちのアクティブシニアに対する理解がまだ薄く、そのせいでうまく判断ができないという点が問題であるという共通見解が出ました。
「社会システム事例分析」においては、もともと出していた事例が似たり寄ったりのものが多く、最終的なアイデアの幅を狭めてしまっていることが問題だと考え、次回はより幅広く事例を集めることになりました。
「アイデア評価」に関しては、評価軸があいまいという点が問題となりました。一部点数を用いた評価を行うという案が出ました。

③今後
今回、やはりニーズの分析に関してアクティブシニアへの理解の薄さがボトルネックになっていることから、次回までにインタビューを実施することになりました。インタビューでは毎回必ず新しい発見があり意欲も高まります。そして、次のアイデア発想では、今回発見できた問題を克服します。
「アクティブシニア」というのは今まであまり馴染みのないテーマで、難しい部分もありますが、だからこそ様々な視点をもって取り組んで本当に役に立つアイデアを生みたいと思いました。

杉浦 由佳
2020年度i.school通年生
東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻修士2年

【2020年度 WS8 DAY4 (10/28)】
DAY4では、次回の中間プレゼンに向けて、アイデアの精緻化に主に取り組みました。進捗状況は各班それぞれでしたが、私たちのチームで行ったことを紹介します。

①社会システム事例分析
前回の反省点として、アナロジー発想に慣れておらず、マッチングサービスなど、面白いアイデアに繋がりにくい社会システム事例が多かったことがありました。今回はその反省を生かし、宿題として各々じっくり考えてきました。「色鉛筆」や「宿坊(一日坊さん体験)」など、シニア向けサービスとは遠いところから持ってきた事例が多く、共有は盛り上がりました。

②アイデア再発想
アイデア発想は個人ワークで20分ほどで行いました。エクストリームケースから得た示唆は前回と同様でしたが、社会システム事例のバラエティが増えたため、アイデア出しで発想を飛ばしやすくなったように思います。

③アイデア選定
アイデア共有の後、堀井先生にフィードバックをいただき、スーパーアクティブシニアを増やすという目的から考え、シニアが生計を立てられるという要件に最も適したアイデア「シニアがチームを組み、チームとして雇用・新たな活躍場所を見つけ、働く再就業支援の仕組み」を選定しました。

④アイデア精緻化
精緻化の段階では、まず具体化すべき論点を挙げていきました。選んだアイデアが抽象度の高いものであったため、「どのようなサービスなのか」「どのようにチームを組むのか」「ビジネスモデル」「スーパーアクティブシニアになるまでのフロー」などが論点として挙がりました。
次回までに時間を取って論点の優先順位付けをし、優先度の高いものから具体化した上でプレゼンのための準備を行うこととしました。
また堀井先生より、アイデアの精緻化においては「褒めて育てる」と「挫けない心を育てる」の両方とも大切であるとのアドバイスをいただいたので、これを胸に精緻化に取り組みたいと思いました。
学生には実感の沸きにくいテーマではありますが、それこそが今回のワークショップの面白いところだと感じました。。最終プレゼンでは自信をもってアイデアを発表できるように今後も試行錯誤していきたいと思いました。

柳川 悠香
2020年度i.school通年生
一橋大学商学部商学科4年

【2020年度 WS8 DAY5(11/4)】
DAY5では、これまでのDAY1~DAY4までの分析によって考えてきたアイディアについての中間発表とそれを踏まえての総括的分析を行いました。
12/2の最終発表に向けて、これまでに考えたニーズ、アイディアをまとめて発表し、フィードバックをもらうことで、今後考えていくべき論点の整理や検証するべき仮説が見えてきました。
Eチームでは、「中学生と作る高齢者のチャレンジリスト」というアイディアを発表しました。

①中間発表と総括的分析
 各チームがそれぞれこれまで考えてきたアイディアについて簡単に発表を行いました。各チーム共通ではっきりと示して欲しいポイントとして、

1.アイディアの概要
2.目指すスーパーアクティブシニア像
3.スーパーアクティブシニアになりたい人のニーズ
4.このアイディアによってなぜスーパーアクティブシニアになることができるのか

の4つが挙げられていました。

 これら4つのポイントについて聴講者がそれぞれポジティブ/ネガティブなコメントを自由に書き込んでいく形でフォードバックを行いました。
 細かい議論をしている際には見落としがちな、直感的な納得感や視野を広げてさせてくれるような示唆に富んだフィードバックが多く行われており、各チーム反省するべき点が見えてきたと思います。

 特にEチームでは、

●「中学生が適切なレベルの目標を設定できるのか」と
●「高齢者は本当に「孫効果」だけでモチベーションを継続できるのか」

などに関して疑問の声が多くみられました。これらはアイディアの根幹に関わる重大な疑問点であり、今後インタビューを通して検証を行い、納得感を持って解決できる機能を考えていく必要性があると再認識しました。
 総括的分析の手法は各チームで異なっており、各自がそれぞれ最適な方法を自分たちで考えて実践していくことを求められているように感じました。他のチームの総括的分析の方法を見て、自分のチームには反省点の洗い出しと言語化が足りていないように感じました。もう少し突っ込んでアイディアをより改善していけるように変更させていこうと思います。

②今後
各チームがそれぞれ発見した課題/仮説に対して、インタビューやプロセスの再試行などを行い最終プレゼンでより納得感のあるイノベーティブなアイディアを共有できるようにアプローチしていくことになると思います。

山本 耀二郎
2020年度i.school通年生
東京大学工学部化学システム工学科4年

【2020年度 WS8 DAY6 (11/14) 】
 DAY6では,前回(11/4)の中間プレゼンの結果を踏まえたうえで,チームの状況に合わせてニーズ分析やアイデア再発想,アイデアの精緻化などを行いました。最終発表まで残りあと3回ということで,チームによっては最後のPDCAサイクルを回す機会となりました。

 私たちBチームでは,中間発表におけるアイデアの大枠は変えないまま精緻化していく方針をとりました.14日に行ったことは大きく分けて以下の3つです.
①これまでのプロセスの振り返り
②アイデアの精緻化
③仮説検証方法の検討(今後のインタビューにおける質問の洗い出し)

①これまでのプロセスの振り返り
 私たちは,まず始めにこれまでのプロセスの振り返りを行いました。これまで行ってきた過程を見返すことで,チーム内の共通認識をもつことや思考を整理することが目的でした。
 まず始めに,「今まで取り組んできた専門性の高いことを適齢期を過ぎても続けて成果を出している人」と「定年退職後,年齢に捉われずに新しいことを始めて活躍している人」の二種類にスーパーアクティブシニアを分けることができるのではないかと考えました.これからの時代においては「定年」という概念も無くなり,40代50代からでも新たなことに取り組み収入を得る人が増えてくるのではないかと考えたため,後者が今回のアイデアで目指すべきスーパーアクティブシニアではないかと考えました.そこで,世界最高齢プログラマの若宮正子さんに着目し,書籍などで若宮さんの考えについて学んだうえでインタビューを実施しました.これより得られた示唆をもとにしてアイデア発想を行い,アイデア評価・総括的分析を行いました.

 総括的分析をチームで行うなかで大きな気づきがありました。
それは,始めに二種類に分類したスーパーアクティブシニアのどちらも,今自分がやりたいことを見つけて全力で取り組み,充実した生活を送っているという点では変わらないということです。
これより,私たちは「自己実現」がスーパーアクティブシニアに大切な要素ではないかという仮説を立てました.また,アイデアに対する堀井先生からフィードバック(+パラリンピックの話など)をいただくなかで,アイデアには「動機付け」と「支援」の二つが存在することを学びました.チームで議論した結果,今回のワークショップでは「動機付け」にアプローチすることに決まり,他の領域・分野における「動機付け」の社会システム事例を探すところからやり直すことになりました。

 再度アイデア発想を行い素敵なアイデアがいくつか出るなかで,主に
●「自身の健康状態や精神年齢などを点数化し,それをもとに企業における採用活動などを行う制度」と
●「小中高において人生100年時代を見据えた教育制度」
の二つが取り上げられました。

堀井先生からは,健康でいつまでも働いている姿が理想なのか,点数化したところで増えるのはスーパーアクティブシニアではなくアクティブシニアではないか,他者からの承認は本当に必要な要素なのか,というようなフィードバックをいただきました。

チームでもこれを踏まえて議論を行った結果,教育のアイデアの方向性でいくことに決まりましたが,皆完全に腑に落ちた感じでは無かったように思われます。

 そこで本日ここを振り返るなかで,点数化するということは英語におけるTOEICのようなものではないかという話が挙がりました。TOEICによって英語に対する意識は高まるかもしれないがそれは受動的なものであり,積極的な人はTOEICなど気にせず海外に羽ばたいているのではないか,スーパーアクティブシニアについても同じことが言えるのではないかという結論になり,皆で納得して教育のアイデアを精緻化する方向に進む準備ができました。

②アイデアの精緻化
 私たちのアイデアは,小中高と長期にわたる教育プログラムであったため,いつ何をするのかということが重要でした。
アイデアにおける重要なポイントは大きく分けて二つあります。
一つが,シニアに対するバイアスを壊し,スーパーアクティブシニアのような精神性を身につけること,もう一つが,自分ごと化して日々の生活や将来について考えることです。

小中高でのそれぞれの位置付けを明確化するための議論を行うなかで,
「小学生に対して講演を行ったところでどれほど効果があるのだろうか」
「職場体験のような中学生のときの体験学習は結構覚えているのではないか」
などの話が挙がりました。
それぞれの位置付けを考えるために,小中高時代の経験に関する簡単なアンケートをi.school内で実施しました。
その結果,中高時代のエピソードが強く印象に残っている人は多い一方で,小学生時代のことを取り上げる人はほとんどいませんでした.そこで私たちは,小学生はシニアに対するバイアスブレイキング,中高生はライフデザインに関する内容にしようと決めました.

 今日は中高生のアイデアを考えることに決め,講演会・ワークショップ・職場訪問のような大きなコンテンツの枠に始まり,教育現場で実施する際の課題や,持続可能な仕組みにするために資金の調達方法はどうするのかなどについても話し合いました。自分の中では,教育効果のみを考え理想的なものにするほど資金面の問題が大きくなる一方で,民間企業にお金を出してもらうなどの資金面を意識すればするほど制約が増える難しさを感じておりました。このバランスを考えながらもチームで話を進め,概要をつくることができました。

③仮説検証方法の検討
 仮設検証方法として,「②アイデアの精緻化」にも挙げた通りこのアイデアが机上の空論にならないためにも,教育現場で活躍されている人,民間企業で活躍されている人,今回のワークショップと同じようなビジョンをもつシニアに関するNPOや株式会社などで活躍されている人にインタビューすることを考えました。
チームメンバーの繋がりから,小学校の元教員の方,中学の現役教員の方,シニアに関する活動を行う一般社団法人の方にインタビューすることが決まったため,質問事項を皆で洗い出しました。

「学び・その他感想」
 今日のワークショップにおける1番の学びは,プロセスを振り返る重要性だと考えます。i.schoolのワークショップでは,誰もがイノベーションを起こすようなアイデアを生み出そうと真剣に取り組んでいますが,現在の議論・思考に集中するあまり視野が狭くなってしまい,全体的な視点を忘れてしまうことがあります。
私自身も目の前にある細部に捉われてしまい,どのような思考に基づいて今の状況にいるのかを見失うことがありました.本日,これまでの思考過程を振り返り次に進むべき方向性を再確認すると共に,チーム内での認識共有もできたのではないかと感じております。

「今後の方針」
 次週までにインタビューを三件行うため,その仮説検証を踏まえたうえでのアイデアの修正や,小学生対象のコンテンツを考えていきたいと考えております.最終発表まで残り2回となりましたが,気合を入れ直して全力で取り組みたいと思います。

関本 大勢
2020年度 i.school通年生
東京大学後期教養学部 統合自然科学科 認知行動科学コース3年

【2020年度 WS8 DAY7 (11/18) 】
11/18のWS8Day7では、それぞれのチームでインタビューなどを終えた後の示唆出しや考察からアイデアを深めたり作り直したりしていく作業を行いました。

我々のチームでは、アイデアの精緻化や堀井先生からのフィードバックを受けて論点を集め、各論点について丁寧に議論しました。
WSの初めより議論となっていた「スーパーアクティブシニア」の定義をはっきりさせ、それを構成する2要素に分解しました。

そこで、スーパーアクティブシニアの2要素を達成するために必要な要素をさらに考える中で、WS前半でいう「ニーズ」にあたる部分を考えることができました。

そこから、そのニーズを元に社会システム事例と掛け合わせてアイデアを出し、一つに絞って精緻化を進めています。
とにかく論点を書き出して、それぞれの論点を議論する中で「どこで議論が回って停滞しているか」を見出すことが重要だと気づきました。そのためにはとにかく議論余地のある箇所を書き出し、それぞれを徹底的に議論する必要があり、それはつまりアイデア発想の周期を何周も回すことにも等しいと体感することができました。

佐々木佑介
2020年度 i.school通年生
東京大学学際情報学府M1

【2020年度 WS8 DAY8(11/25)】
DAY8では、最終プレゼンに向けて、アイデアの選択・精緻化に取り組みました。進捗状況は班によって異なりますが、私たちのチームでは以下のように進行しました。

①アイデア評価
前回までに出た8個のアイデアを一通り共有しながら「ワクワクするか」など主観的な観点からまず4つに時間をかけずに絞り、その後

●「そのアイデアでスーパーアクティブシニア(以下SAS)は社会で増えるか」
●「ニーズとの一貫性はあるか」

などの具体性を持った基準で一つ一つ吟味し、その段階で堀井先生にアドバイスをいただきながら、アイデアを一つに決定しました。
ここまでにもう何度この作業を繰り返したことでしょう。アイデアが一つに決まったのに盛り上がりが欠け、無理矢理テンションを上げたらチーム内に笑顔が溢れました。

②アイデア精緻化
精緻化にあたり、明確にすべき論点をまずは20分ほどで列挙しました。
主体関係図、カスタマージャーニー、そのアイデアの独自性、マネタイズ、等です。
素早く行えそうな作業ですが、用語を雑に使うとその語の認識がずれて意思疎通が取れなくなるなど、苦労は絶えません。

③最終プレゼン作成
いよいよ来週に控えた最終プレゼンの作成です。勢いよく進めていきたいところですがここで時間。全班が集まり、10分程度で進捗共有、最後の共有です。何事も最後というものは愛おしいです。我が班では解散後も集まることが恒例になっており、今回は特に最終プレゼン前ということで時間外で班員が集まれる時間を調整し、解散しました。

最終プレゼンにはi.school communityの企業メンバーの方も当日はいらっしゃるとのこと。
多くの人の目にうつることからも妥協はできませんが、何よりも、今まで25時間以上話し合いを続けてきた最後の成果として自分たち自身がその結果に悔いの残らないよう、最後まで内容を詰めていきます。

合田 智揮
2020年度i.school通年生
東京大学工学部都市工学科4年

【2020年度 WS8 DAY9 最終発表(12/2)】
9日目は最終発表の日でした。

10月・11月の2か月間に渡り、スーパーアクティブシニアと呼ぶべき高齢者を増やすための施策を考え、今日の発表のための準備をしてきました。全部で6チームがあり、以下のようなタイトルで各チーム10分程度の発表を行いました。

●「マンガ すげー!じいさんばあさん」
●「i.field ~中堅人材が地方創生のSASに〜」
●「Age-free Festival ~追求心が人生を創り出す日」
●「人類最強決定戦 全世代が創り、競い、分かち合う場」
●「Next Step BootCamp ~50代からのLife Design~」
●「生き生き生きる生き方道しるべ 三つ子の魂百まで教育」

今回のWSではまず、「スーパーアクティブシニア」という言葉自体が一般的な概念ではないため、実際にスーパーアクティブシニアだろうと考えられる方々の情報について収集をし、自分たちの中でどのようなスーパーアクティブシニアを増やしていきたいかを考えました。

その上で、スーパーアクティブシニアを増やすためにはどのようなアイデアが良いのかを複数回の試行錯誤を通して考え、今回の発表に至りました。

それぞれの班が、スーパーアクティブシニアをどう捉えていて、どのようなアイデアでスーパーアクティブシニアを増やそうとしているのかを説明し、実際に事業としてどう成立するのかを発表していました。

2か月間の議論の集大成として、どの班の発表も面白く、多くの議論を重ねたであろう様子が伺えました。

今回のWSは特に期間が長く、WSの過程を通してアイデアの出し方やチームワークについて学ぶことも多かったため、振り返り会にも期待が高まりました。

甘粕隆志
2020年度 i.school通年生
東京大学工学部計数工学科4年

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