Nov 23, 2009

2009年度 第2回ワークショップ「インドの未来を洞察する」終了しました!

i.school第2回人間中心イノベーション・ワークショップは、「インドの未来を洞察する」と題し、博報堂イノベーション・ラボよりファシリテーターを迎えて4日間の日程で行われました。

このワークショップは非線形の未来を洞察する手法「スキャニング」を、「インド」という題材を通して学ぶもので、政府や大手企業への未来コンサルティングに数多くの実績を持つ博報堂イノベーション・ラボによるプログラムに、23名の参加者が挑みました。

「インド」といえば、急激な発展を遂げる一方、カーストなど独自の文化・社会制度を併せ持ち、今後の展開に予断を許さない存在で、大変エキサイティングなテーマと言えるでしょう。

参加者には東京大学在学中の学生に、協力企業の社会人数名が加わったほか、今回から千葉大学に在籍するアジアからの留学生5名が加わり、多様性に富んだチーム編成が実現しました。

また、スキャニング手法の運用には、東京大学知の構造化センターと博報堂イノベーション・ラボが共同開発した、ウェブ・ベースのドキュメント構造化システムが利用されました。

日程:
2009年10月23日(金)・30日(金)、11月5日(木)・6日(金)(17:00~20:00)
ファシリテーター:
博報堂 イノベーション・ラボ 石野幹生氏、粟田恵吾氏

特別ゲスト:
NHK報道局ディレクター 天川恵美子氏、インフォブリッジホールディングス代表 繁田奈歩氏

協力:
千葉大学グローバルアジア・デザインスクール・プログラム

社会人参加(協力企業):
コニカミノルタテクノロジーセンター(株)、味の素(株)、ソニー(株)

<1日目>未来イシューディスカッション
冒頭にゲストスピーカーとしてNHK報道局の天川恵美子氏にご登場いただき、氏がチーフディレクターとして取材・製作を行った「インドの衝撃」、「続・インドの衝撃」の映像を織り交ぜつつ、高等教育、グローバル・リーダーシップ、産業発展等、現代インドの様相を幅広い視点からご講演いただいた。活発な質疑応答を経て、チームごとに得られた情報からインドの未来(2020年)を演繹的に推論。「インドは今後○○になって行くであろう」というフレーズを下敷きにチームごとの観点を発表しました。(「未来イシュー」ディスカッション)
その後、東京大学知の構造化センターと博報堂イノベーション・ラボが共同開発した、ウェブ・ベースのドキュメント構造化システムの使用説明を受けて初日は終了。同システムを介して、インドにまつわる周縁的な二次情報を探索、作成、入力すること(スキャニング)が宿題に。

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<2日目>スキャニングチーム作業と社会変化仮説
この日はセッションを通して、システムを使ったスキャニング素材(スキャニング・マテリアル)の検索・閲覧・関連付けなどの作業を行います。スキャニング・マテリアルから発見した、インドにまつわる様々な「未来の兆し」から社会変化を帰納法的に洞察し、社会変化仮説(スキャニング・クラスター)を設定しました。ディスカッションによりチームごとに打ち出されたスキャニング・クラスターは最終的に合計13個。例えば、「ガンジス河発・免疫力向上剤が人気を博する」「クリケットがオリンピックの正式種目になる」「健康機能性カレーの登場」「インド式絵文字による世界言語統一」…など、それ自体は荒唐無稽とも思えるものなのですが…。

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<3日目>インパクト・ダイナミクス
1日目に学んだ「未来イシュー」と2日目に生み出した「社会変化仮説」、その掛け合わせ(インパクト・ダイナミクス)によって新しい未来像を創造していきます。13個の社会変化仮説の中から、各チームが選んだものは:

トイレ企業のターゲットは未婚男性
グローバルリーダーを輩出するインド発l.school(エル・スクール)
インドの伝統的な祭りが商業化・産業化する
インドは医療大国になる

の4件。これをあらかじめファシリテーターが整理して提示した4つの未来イシューと掛け合わせ、インドの未来像を「強制発想」します。社会変化仮説が実現した場合、起こり得るイノベーション機会、ビジネス機会のアイデアを、生活シーンやステークホルダーを想定しつつ描いていきました。

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<4日目>シナリオ
最終日のこの日は、3日目に生み出されたインドの未来像をシナリオ化して、具体的な世界観を表します。チームごとの表現形式は自由。ただし、材料は模造紙とポストイット、そしてマーカーだけ。この自由と制約のはざまで表現されたインドの2020年シナリオを、各チーム10分の持ち時間で発表。現代インドの社会、文化、マーケットに詳しい、特別ゲストの繁田奈歩(インフォブリッジホールディングス代表)に評していただきました。

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4日間のプログラムを経て、ワークショップはひとまず終了となりましたが、この先のさらなる展開を求める意見も多く出され、独自に「続き」を探索するグループも出てきそうです。今後の彼らの飛躍に期待しましょう。

<以下はワークショップに参加した学生のコメントの一部です。>

なかなかいいアイデアが出てこないことが多く、自分たちの発想の縛りに苦しんだ。同時に、その解決策を学び、頭の(機能の)使い分けみたいなものを勉強できた。(法学部政治コース)

参加者の多くが、自らの専門分野や独自の価値観を持っているため、特に自分の意見を持たずにいると、完全に取り残されます。自分がこのチームに対して出せるバリューとは何なのか、常に考えていた4日間でした。(工学研究科システム創成学専攻)

世界の多数を占めるのはどういう人かをずいぶん意識した。今までほとんど日本や自分のことしか考えていなかったと思うけど、今後世界を考えて仕事をしたい。(新領域創成科学研究科)

難しかったのは、帰納的推論をしなければならなかった場面でした。普段は自然と演繹的に考えているのだということに気付きました。(教育学部総合教育科)

常に自分の思考法について、人と話しながら考えるようになりました。(経済学部)

i.schoolに参加される社会人の方々はとても優秀で、かつおもしろい人達なので、出会いを大切にしたいと思います。(工学系研究科航空宇宙工学専攻)

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告知ページはこちらからご覧ください。
http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/programs/workshop/workshop_oct09

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