Workshop Reports

Sep 30, 2020

参加者レポート
2020年度第6回レギュラー・ワークショップ
「Disruptive Innovation」Professor Miles Pennington

第6回レギュラー・ワークショップは、東京大学DLX Design LabのMiles先生のファシリテーションで行われました。

テーマ:Disruptive Innovation
ファシリテーター:Miles Pennington教授 (東京大学東京大学生産技術研究所, DLX Design Lab)
日時:9/17(木)‐9/18日(金)/10:00-17:30

【2020年度 WS6 DAY1(9/17)】
WS6は、東京大学のDLX Design LabのMiles先生によって、「Disruptive Innovation」というテーマで行われました。プロトタイプキッドの事前送付や、Zoom、Miro(オンラインのホワイトボードツール)、card randomiser(強制発想を促すデジタルデザインカード)、Mentimeter(リアルタイムでアンケート集計が投影資料に反映できるツール)といった多様なツールの利用、英語での実施など、i.schoolの従来のWSと異なる点が数多くあり、新鮮でした。

スピード重視でプログラムが設計されていたことで、ほぼ毎回のブレークアウトルームで議論が強制終了され、メインルームに戻っていました。概要説明、機会探索、アイデア発想、アイデアマッピングと選定、スピードデーティング(2人1組になったお互いのアイデアを短時間にブラッシュアップするワーク)の順に、行ったことと感想を下記に述べます。

冒頭で、デザイン思考の概要、すなわち共感からアイデアを発想し、プロトタイピングと調査を繰り返すという一式の原則についてご説明いただきました。早く作って修正を繰り返すことは、VUCAの時代で求められる姿勢の一つだと思いました。ご紹介いただいたGEヘルスケア社製の子ども向けのMRIは、大学の授業で共感マップを用いて紹介されたことがあり、デザイン思考を用いた商品開発の例を探してみようと思いました。

次に、機会探索を行いました。私たちのチームで与えられた破壊的イノベーションの題材はドライヤーでした。首に熱風を当てて暖房の代替として用いた経験を話したところ、面白いと評価していただけました。音がうるさいという他のメンバーによる負の経験には、共感の声が集まっていました。

そして、card randomiserに書かれた内容ごとにアイデアのスケッチを繰り返し、計10個ほどのアイデアの写真を撮ってすべてMiroにアップロードしました。カードの内容のうち特に、最悪なアイデアをあえて考えることは、固定観念を壊すうえで有用だと感じました。精緻なアイデアの発想を目的とするi.schoolの従来のWSと異なり、発散の段階では質より量が求められていました。

続いて、元の商品からの離れ具合と実用性という2つの軸で、すべてのアイデアをマッピングしました。その中から、独自性、需要、ビジネスモデルの3つの評価基準で、一人が一つずつアイデアを選びました。アイデアの良し悪しを評価するこの収束の段階が上述した発散の段階と明確に分かれていることが大事だと思いました。

その後、スピードデーティングでは、選んだアイデアのコンセプトを話す役とフィードバックを行う役に分かれて、アイデアをブラッシュアップしました。個人的には、ニーズの付帯状況からインサイトを得ることを意識しました。

最後に、フィードバックをチームで共有し、全自動ヘアケアマシンと植毛ドライヤーという2つのアイデアに絞って発表しました。日本語でもまとまっていないアイデアを、英語で発表するのは大変でしたが、なかなか高評価で、何とか形になったと思います。

総じて、破壊的イノベーションのためのデザイン思考の一端に学生時代に触れられてよかったです。また、デザインプロセスを高速で英語で回す機会は貴重だと感じました。今後はプロトタイプを修正し、実際に市場調査を行いたいです。

諸留 卓
2020年度i.school通年生
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程2年

【2020年度 WS6 DAY2 9/18】
WS6の二日目の様子についてレポートします。

WS6は「Disruptive Innovation」をテーマにした二日間のプログラムで、講師はRoyal College of Artの元教授で現在DLX Design Labに所属しているMiles Pennington先生でした。ワークショップ二日目には、プロトタイプの作成を通じて一日目に発想したアイデアをチームごとに精緻化し、全体に向けた最終発表をしました。

より具体的には、Disruptive Innovationの事例分析、プロトタイプ作成の練習、アイデアを表現するプロトタイプの第一版の作成、チーム内でのプロトタイプの共有と選定、他のチームへのプロトタイプの紹介とフィードバック、フィードバックを鑑みたプロトタイプの再作成、全体プレゼンテーション、そして最後には、出たアイデアに対する「innovativeさ」「投資をしたいか」「単純に好き」という軸での投票、といった流れでワークショップは進行しました。

私が所属していたチームは、プリンターのイノベーションのアイデアとして、「ドローンのように空を飛んで指定した形状に餌を配置することで、その形状に沿って一時的に虫や動物を呼び寄せることができるデバイス」を考えました。

今回のワークショップで学んだことは、「プロトタイプは、材料が身の回りのものであっても、必要な機能を最低限表現していれば、アイデアの精緻化やプレゼンテーションの表現力向上に有効である」ということです。プロトタイプを作成する前に、デバイスに必要な機能を三つ挙げる作業をし、それらを意識して組み立てることがポイントでした。プロトタイプキットとして郵送されてきた材料は、紙コップやストロー、アルミホイルやスポンジといった日用品でしたが、それらを組み合わせてデバイスの必要な機能・パーツを表現することで、他の人にアイデアをわかりやすく説明することができました。

また最終発表におけるスキットでは、Zoomの背景を工夫した映画さながらのものや、人形劇風のもの、家の中の一角を活用したもの等、どのチームもオンラインであることを生かした表現力豊かなものになっており、見応えがありました。

また今回のワークショップで印象的だったのは、その「楽しさ」です。可愛らしいイラストで287の日常的なシチュエーションを描いた「RAMMO JAMMO CARD」を用いたアイデア発想や、前述のプロトタイプの作成などは、遊びながらアイデアを作っていくような感覚がありました。そういった中で、自分のアイデアに対する考え方も少し変化したように思います。

私はワークショップの前半までは、「新しさ」と「潜在的なニーズに的確に応えているか」と言う観点でアイデアを選定していましたが、ワークショップが進んでいくうちに、より「楽しい」「おもしろい」アイデアを発展させていくことに挑戦したいと思うようになりました。その意味では、自分たちのアイデアが最後の投票で「innovativeさ」と「単純に好き」の観点で多くの票が得られたことは嬉しかったです。一方で「投資をしたい」の票は少なく、ニーズの分析の点で課題が残る結果ともなりました。

今後はニーズに的確に応えていること・新しさ・楽しさを両立したアイデアを考えたいと思いました。そのためには、これまでi.schoolで学んできた事実収集・解釈・示唆出しに基づいた緻密なニーズの分析・コンセプトの立案と、今回学んだ直感的で遊び心溢れるアイデア発想法を組み合わせることも有効かもしれないと思っています。

最後に、個人的には将来、自分の専門であるまちづくりの分野で、地域の方と地域のおもしろい点を発見したり、それを発展させるアイデアを発想するワークショップを実施したいと考えています。今回学んだワークショップの手法は、子供からお年寄りまで楽しんで取り組めるものに感じたので、取り入れてみたいと思いました。

信夫あゆみ
2020年度 i.school通年生
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻修士二年

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