Workshop Reports

Apr 5, 2021

参加者レポート
第5回-2レギュラー・ワークショップ
「中小企業のイノベーション」 TISP (Tokyo Innovation Summer Program) 2020 香川編

第5回レギュラー・ワークショップである、サマープログラム TISP(Tokyo Innovation Summer Program)は、 i.schoolのプログラムの一環として 2013年より実施しています。
このプログラムでは、i.school通年生やスポンサー企業の社会人が香川県の高校生に向けて、これまで学んだワークショップの経験を活かし、グループファシリテーターとしてプログラムを設計し、オンラインで当日を運営します。

テーマ:中小企業のイノベーション
日程:
準備-12月4日(金)19:00-22:00, 12月10日(木)19:00-22:00
本番- 12月12日(土)10:00-12:00, 19日(土)9:00-17:00, 20日(日)9:00-17:00

【2020年度 WS5-TISP香川編準備会(12/4)】
i.schoolでは毎年、通年生が主体となって、高校生と大学生がともに学ぶワークショップ「Tokyo Innovation Summer Program」を開催しています。

12月4日、当日参加するi.school生が準備会を行いました。

今年度のTISPのテーマは「中小企業のイノベーション」でした。
高校生の地元で革新的な取り組みを行っている中小企業の製品、サービスやあり方を提案することが目的でした。

i.schoolの通年生は、企画運営・デザイン・リサーチの3チームに分かれています。参加者全員にとって学びの多いワークショップにするべく、各自が多角的視点から準備を進めました。

準備会では、3チームが集まってワークショッププロセスを試行し、高校生の議論を促進するDP(ディスカッションパートナー)の留意点を洗い出しました。

ワークショップを複数回経験してきたからこそ見える留意点が複数挙げられ、準備自体がi.schoolでの学びを深める貴重な機会になっていることを実感しました。

学びの多い回にすることはもちろん、参加者全員に「皆でアイデアを考えるのって楽しい!」と思ってもらえるよう、準備に取り組みました。

豊島 拓
2020年度 i.school 通年生
東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 M1

【2020年度 WS5-TISP香川編事前準備会(12/12)】
今回の事前準備会が高校生とi.school生の初顔合わせの場でした。全体で高校生の軽い自己紹介をした後、グループにわかれチーム名決めを行いました。
 どのチームも緊張はしつつも積極的に話していてすぐ打ち解けているようでした。高校生は初めて電子付箋ツール「APISNOTE」を使う人がほとんどですが、みんな完璧に使いこなしており、オンラインWSでも問題なく進めることができました。
チーム名を決めた後は、午後に控えたインタビューの準備を行いました。

TISP自体に大学生として参加するのは夏から2回目ながら、初対面の高校生ということでいろいろな不安がありました。しかし高校生達がかなり積極的に会話を続けてくれたことで議論が前に進みました。議論の進め方やコンテンツをどれだけ整備しても、重要なことは「気軽に対等に話せる場所」でであると感じさせられました。
高校生とのWSに限らず、全てのWSに共通して誰がどのタイミングで話すかは非常に重要だと実感いたしました。残り2日のWSを通じて、自分のチームメンバーの力が一番発揮されるコミュニケーション空間をデザインできる力を磨きたいと感じました。

佐々木 佑介
2020年度 i.school 通年生
東京大学大学院 学際情報学府 M1

【2020年度 WS5-TISP香川編 DAY1(12/19)】
テーマ:『中小企業のイノベーション』

 高校生には前回の事前準備会の後、担当の企業のもとに直接足を運んでもらい、創業者の思いや企業の強みといった観点を中心に、より企業理解を深めてきてもらいました。

ワークショップ1日目は、まず見学した際に得た情報や見学を通して感じたことを高校生からDPに対して共有してもらい、その後は、未来ニーズの分析および企業の強みの分析、アイディア発想とその評価というプロセスで進行しました。

 未来ニーズの分析では、例えば「コロナウイルス感染症の拡大に伴うオンライン化の進行」のように未来の想定されるシナリオを複数定めて分析しました。こうした未来シナリオ3、4個に対して、そのシナリオが実現した場合に(現在当たり前ではない)どのようなことが当たり前になるかを考察し、次にその状態を既知とするとどのような未来ニーズが生まれうるかを議論しました。

 企業の強みの分析では高校生が事前に行った見学・インタビューの情報をもとに議論しました。まず強みと考えられる項目を列挙し、次にそれらに対してその強みの源泉となっているコア・コンピタンスの解釈を行い、最終的にそうしたコア・コンピタンスの活かし方を議論しました。
高校生のインタビューは非常に上手で、見学に参加していない私でも創業者の方の熱い想いがひしひしと伝わってくるほどでした。

 アイディア発想は「未来ニーズ」と「強みの活かし方」を結びつける形で行いました。
その後、ニーズを活かしているかという点、強みを活かしているかという点に加えて、また私の班では独自に創業者の方の熱い想いが生かされているかという点を加えてアイディア評価を行い、最終的に班として一つのものに決定しました。

 DP(Discussion Partner)として参加して一番苦労した点は強みの分析でした。未来のニーズの部分では高校生の想定の深掘りを意識し、ある程度うまく機能しました。しかし、強みの部分では競争優位性を持つ分野とその優位性の源泉であるコアコンピタンスとが混在し、議論が難しくなったように思います。ただ、見方を変えれば高校生のインタビューが上手だったがためにインタビューの段階で深いところまで分析ができていたことの証拠なのかもしれません。

 私のTISPへの参加は2回目でしたが、前回は他のDPに助けられた部分が大きかったと感じたため、議論を適切な方向に導けるかが正直若干の不安を感じていました。しかし、高校生が真摯に、そして楽しそうにアイディアと向き合ってくれたこと、また、そうしたプロセスをアシストできたことは私の自信とやりがいに繋がりました。
今後の議論の場においても今回の経験を活かしていきたいと感じました。

辻野好宏
2020年度 i.school通年生
東京大学経済学部4年

【2020年度 WS5-TISP香川編 DAY2(12/20)】
テーマ:『中小企業のイノベーション』
12月19日・20日に開催されたTISP(Tokyo Innovation Summer Program)香川編、2日目は高校生が持ちよった、アイデアの詳細を表現した4コマ漫画をもとに、アイデアを精緻化するところから始まりました。

同じアイデアに対する4コマ漫画でしたが、高校生は一つのアイデアについてそれぞれ異なる捉え方をしており、多様な4コマ漫画が集まりました。そして、これらの4コマ漫画から議論を行い選択する過程の中で、アイデアがより良いものに仕上がっていきました。

 その後は発表準備です。限られた時間の中、チーム全員で協力しながら発表スライドや紙芝居を作ります。発表準備をする中で自分たちの考えたアイデアが形になっていく様子を目の当たりにし、高校生からは自然と笑顔が溢れていました。

 そして最終発表本番。高校生の考えたアイデアは驚くべきほど質の高いものばかりでした。どのチームも大人顔負けの素晴らしい発表をやり遂げ、高校生は全員が達成感に満ち溢れていました。この瞬間は高校生のみなさんの青春の1ページに強く刻まれたと確信しています。

 実は私も大学進学までの18年間、香川で生まれ育った背景があり、今回のTISPへの思いはひとしおでした。
新型感染症拡大の影響から現地開催に至らなかったのは惜しいところではありますが、今回TISPに参加した地元の高校生の積極性や発想力、チームワークには心底驚かされ、私自身も大きな刺激を高校生からもらいました。

高校生のみなさんが今回の学びをこれからの学校生活や社会に出てからも生かし、活躍することを心から応援しています。

横山大智
2020年度i.school通年生
東京大学大学院 工学系研究科 社会基盤学専攻 M1

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