Workshop Reports

Aug 1, 2020

参加者レポート
第5回レギュラー・ワークショップ
「中小企業のイノベーション」
TISP (Tokyo Innovation Summer Program) 2020 宮崎編

第5回レギュラー・ワークショップである、サマープログラム TISP(Tokyo Innovation Summer Program)は、 i.schoolのプログラムの一環として 2013年より実施しています。
このプログラムでは、i.school通年生やスポンサー企業の社会人が宮崎県の高校生に向けて、これまで学んだワークショップの経験を活かし、グループファシリテーターとしてプログラムを設計し、オンラインで当日を運営します。

テーマ:「中小企業のイノベーション」
日程:
準備期間>6/18(木)~7/22(水)
準備会>7/13(月)・7/16(木)19:00-22:00
本番>7/23(木)9:00-12:30, 7/24(金)9:00-17:00, 7/25(土)9:00-17:00

【2020年度 WS5-TISPの準備(6/18₋7/22)】
TISP(Tokyo Innovation Summer Program)2020宮崎編「中小企業のイノベーション」の準備レポートです。今回のWSは、大学生もプログラムを作り上げる過程に携わりました。それぞれが以下のチームに分かれ、TISP参加経験のある先輩i.school生のリードのもと準備を進めました。

・当日ファシリテート・その準備
・プログラムの内容作成
・しおりやロゴ等のデザイン
・高校生の状況・成長のリサーチ

チームごとの準備に加えて、全員が集まる運営ミーティングでは擬似的にWSを実施しました。高校生の立場で参加しながら、高校生に伝わるような説明の仕方・ワークの進め方を詰めていきました。

この擬似WSを数回繰り返したことで、今まで習ったアイディア発想法の定着につながったと思います。そして、当日、色々と予期しない事態が起きても、どうにか対処できたことにつながったと思います。

森田楓
2020年度 i.school通年生
東京大学大学院 学際情報学府 修士1年

【2020年度 WS5-TISP準備会(7/13・16)】
7月13日・16日にTISP(Tokyo Innovation Summer Program)の準備会を行いました。地方の高校生とi.schoolの学生がともに議論を繰り広げる中で、その地方の中小企業の新たな製品やサービス、あり方などを提案します。

TISP開催の準備は、今回の準備会よりも前から始まっていました。準備チームを当日ファシリテーション、プログラム作成、デザイン、リサーチの4つのチームに分け、i.schoolの関係者や参加校の先生方などと協同する中で、ワークショップ以外にも全体的なタイムラインや事前課題、アイコン作成、研究的な視点など多岐にわたり準備が進められてきました。

準備会では当日行うワークショップを実際に体験する中で、ワークショップ自体の改善点やDP(ディスカッションパートナー)として参加する大学生が気をつける点について洗い出しました。何度もワークショップを行い、その都度改善することで、ワークショップは初期のプロトタイプから大きく変化しました。完成したワークショップには、高校生が取り組みやすくなるような、良いアイデアを出しやすくなるような、いくつもの仕掛けが存在します。また、ワークショップ外でもこのTISPを盛り上げるさまざまなイベントを用意しました。

今回のTISPは新型感染症拡大の状況を踏まえ、残念ながら海外からの留学生の参加を断念しました。一方で、さまざまな活動・イベントが中止となってしまった高校生にとっては、例年以上に楽しみなものとなりました。TISP当日も目の前ですが、高校生の高まる期待に答えられるよう、私たちも全力で頑張ろうと思いました。

横山 大智
2020年度 i.school通年生
東京大学大学院 工学系研究科 社会基盤学専攻 M1

【2020年度 WS5-TISP本番DAY1(7/23)】
TISP初日は午前中のみで、企業の強み分析からアイデア創出までの一連の流れを、一通り行うというものでした。

オンラインという慣れない状況もあってか、高校生は緊張しているように見られましたが、ワークを進めていく中で、緊張感は少しずつ和らいでいった印象です。次第に高校生には笑顔が見られるようになり、丁寧にコメントして褒めるととても喜び、進んでワークに取り組んでくれるようになりました。発言を積極的に受け入れて、発言する不安を取り払うことがいかに大切かを改めて感じました。

オンラインならではの状況という点では、ワークの冒頭でAPISNOTEが宮崎側で開けなくなり、正直かなり焦りましたが、口頭で自己紹介と簡単なアイスブレイクをすることで何とか切り抜けました。ワークを進める上で、その場の状況に応じた対応力は、オンラインではより必要とされると感じました。難しい操作などをDP側が担うことで、当初心配していたよりも円滑にワークが進んだ印象でした。

ところで、初日の主な目的は、ワークショップ全体の流れを掴むことでした。そのため、ワークを進める際には、各パートの全体の中での位置づけを話すように心がけました。こうすることで、2日目以降の動きを高校生は掴むことができたように思います。タイトなスケジュールの中、高校生の皆さんは積極的に動いてくれて、非常に頼もしく感じました。

また、DP・先生側の対応も非常に印象に残っています。ワーク中はLINEやSlackで目まぐるしく情報をやり取りしており、対面でのワークショップと同じくらい密な連携が取れていると感じました。高校生とワークを進めながら、連絡を取り合うというのは、かなり忙しい作業でしたが、連絡手段がしっかりあることで、DP側としても安心してワークを進めることができました。

全ての参加者にとって未体験の状況で、初日から予想していた以上にうまくいったのは、DPはもちろん、i.schoolのスタッフの皆様、そして何より現地宮崎の高校生・先生方のサポートあったからこそだと思いました。

平岩渉
2020年度 i.school通年生
東京大学人文社会系研究科修士課程2年

【2020年度 WS5 DAY2 7/24】
2日目は企業へのインタビュー・またはインタビュー動画の視聴を行い、それをもとにより詳しい強み分析をしました。さらに未来シナリオの方も1つから3つに増やしてアイディア発想を行いました。また、班ごとに堀井先生からフィードバックをいただき、最終的なアイデアを発想、選出、そして精緻化まで行いました。

我々の班ではヤマエ食品工業株式会社の役員の方ににインタビューを行いました。このインタビューを通して伺った「生産者の方まで遡れるから商品に安心感がある」という強みが後のアイディア発想の際に活かされました。宮崎・日本の味を代表する企業の経営を担っている方から直接お話を伺えた非常に貴重な機会であり、高校生・i.school生ともに非常に刺激を受けました。

その後、アイディアを一度発想しましたが、「堀井先生からのフィードバックをもとにもう一度アイディアを考えたい」という熱心な高校生参加者の意向から、ビジネスとしての新しさ・影響の大きさを意識して再びアイディア発想を行いました。最終的にアイディアを一つに決定し、最後にそのアイディアの大枠をメンバーで議論しました。高校生の参加者にはそれをもとに、最終日までの宿題として、最終発表に向けた絵コンテを書いてきてもらうことになりました。

我々の班が最も苦戦したのは強みの分析の部分でした。業界全体の強みや、企業が現在行っている具体的な取り組みの付箋が散見され、強みとは何かを高校生参加者と共有する点で苦労しました。また、現地に住んでいないからこそ感じる宮崎県の企業の強みに関してはDP側から補うようにしました。しかし一方で、ニーズ・強み共に既成概念に囚われない高校生独特の視点を活かしたものも多く、非常に刺激を受けました。

反省点としては、もう少しDP(Discussion Partner)であるi.school生が例を示しながらニーズや強みとはどういったものなのかを高校生に初期から共有できれば良かったかもしれないと思います。具体的には1日目が終わった時点で班の付箋を振り返り、傾向を分析し、それをしっかりとフィードバックできればさらに良い付箋出しができたかもしれないと感じます。しかし、参加者にとっては実際にそれらを議論しながらでないと理解できない面も強いため、議論を俯瞰しながら即時的に議論の手助けをするというDPの技量が必要であることを痛感しました。

今後もi.schoolでの活動を通じて付箋の分析というミクロな視点だけでなく、付箋全体の構造や傾向といったマクロ的な視点を常に持ち続けられるように、俯瞰的な観察力も養っていきたいと感じました。

辻野好宏
2020年度 i.school通年生
東京大学経済学部4年

【2020年度 WS5 DAY3 7/25】
3日目はいよいよプレゼンの日です。1日目、2日目の議論を踏まえて、宿題として各自アイデアを4コマ紙芝居として描いてきてそれを共有することからスタートしました。

それぞれの絵心に微笑んだり称賛したりしながら、各班で発表する軸となる一つを選びました。そこからはそのアイデアを精緻化して、プレゼンテーションの準備に入りました。プレゼン発表にはヒアリング先の現地企業様にもご参加いただき、各自で考えたものを発表しました。

新型コロナウイルスの影響で本来の予定より短縮しての発表となり、また機材トラブルにも見舞われましたが、どのグループも最後まで3日間考えたことをしっかり発表することができました。

高校生はこの3日間で「企業の強みとその活かし方を分析」「未来のシナリオを想定して未来のニーズを考察」「両者を繋ぐアイデアを考える」サイクルを3周ほど回しました。どんどんアイデアの精度よくなっていく様子をみて、高校生の成長角度の大きさを深く感じました。

DPとして参加した大学生も、初日は「上手くコミュニケーションを取らせるには」と戸惑っている人もいましたが、3日目には大学生内の連携も取れかなりコツを掴んで行ったようでした。「どういう方向性で考えればアイデアが出やすいか」を意識する中で、ワークショップで考えるべき事柄を噛み砕く力が非常についたと思います。この力は自分たちがワークショップを行う過程でも非常に重要ですし、しっかり振り返って次のワークにつなげていければ良いと感じました。

3日間、オンラインでしか出会ったことのない高校生と大学生が一緒にワークをするという経験はなかなかできるものではなく、非常に充実してワクワクして楽しんで疲れました。

佐々木 佑介
2020年度 i.school通年生
東京大学大学院学際情報学府M1

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